使い終わったプラスチック製品や製造過程で発生した端材など、廃プラスチックは多くの業界で日常的に出るものです。
近年では、廃プラスチックが、ゴミではなく資源として扱われるようになり、高価で買い取られるケースも増えてきました。では、買取された廃プラスチックはその後どうなるのでしょうか?
まず、買取業者に引き取られた廃プラスチックは、自社の中間処理施設などで仕分けされます。異物が混ざっていないか、再利用に適した素材かなどをチェックし、種類ごとに分類。ここで重要になるのが「自社加工設備」を持っているかどうかです。設備が整っている業者であれば、そのまま自社で破砕・洗浄・乾燥といった工程に入り、再資源化をスムーズに行うことができます。
加工された廃プラスチックは「ペレット」と呼ばれる小さな粒状の再生原料にされ、再び製品の素材として使われます。これらは自動車部品、建築資材、梱包材、プランター、文房具、衣料品の繊維など、さまざまな形に生まれ変わります。再生可能な循環型の社会を支える上で、非常に重要なものとなっています。
一部の再資源化が難しい廃プラスチックは、固形燃料(RPF)などのエネルギー資源として再利用されることもあります。これにより焼却や埋立による環境負荷を減らしつつ、エネルギーとして有効活用されるのです。
また、環境への配慮として、処理過程で出るゴミを極力出さないよう工夫している企業も増えています。こうした取り組みは、企業のSDGsへの貢献にもつながっており、取引先や消費者からの信頼度向上にも影響を与えます。
買取された廃プラスチックは、単に処分されるのではなく、再生されて社会に戻る資源として扱われています。環境保護と経済活動の両立を図るこの流れは、今後ますます重要性を増していくと言えます。
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